ファクタリングの会計処理と仕訳をわかりやすく|消費税・売上債権売却損の基本
ファクタリングを初めて使うと、「どの勘定科目で仕訳すればいいのか」「手数料に消費税はかかるのか」と迷いがちです。ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売買のため、借入金として負債に計上されないのが特徴です。この記事では、売掛金の譲渡から売上債権売却損の計上まで基本の仕訳例を示し、2社間と3社間の処理の違い、消費税の扱い、決算での見え方まで整理します。細かな税務判断は税理士への確認を前提に、まず全体像をつかみましょう。
こんな会計処理の疑問はありませんか?
- ファクタリングを利用したが、どの勘定科目で仕訳すればよいか分からない
- 手数料に消費税がかかるのか、非課税なのか判断に迷う
- 2社間と3社間で処理が違うと聞き、正しく仕訳できているか不安
- 決算書で借入のように見えて、金融機関の評価が下がらないか心配
基本の仕訳フロー(3社間の例)
売掛金が現預金に置き換わるまでの流れです。借入金のような負債は増えません。
ファクタリングの会計処理の基本(債権の売買=負債にならない)
ファクタリングは、保有する売掛金(売上債権)を専門会社へ売却して資金化する取引です。銀行融資のようにお金を借りるわけではないため、借入金などの負債としては計上されません。この「債権の売買」という性質が、会計処理を理解する最初のポイントになります。
基本の流れは、売掛金を譲渡して未収入金などに振り替え、入金時に手数料を差し引いた金額を受け取り、その差額を費用計上するという2段階です。手数料部分は一般に「売上債権売却損」という勘定科目で処理します。仕組みそのものを先に確認したい方はファクタリングの仕組みもあわせてご覧ください。
基本の仕訳例(売掛金の譲渡と売上債権売却損)
額面100万円の売掛金を手数料5%(5万円)で売却し、後日95万円が入金されるケースで考えます。まず債権を譲渡した時点で、(借方)未収入金 100万円 /(貸方)売掛金 100万円と振り替えます。売掛金がファクタリング会社への未収入金に置き換わったイメージです。
入金された時点では、(借方)普通預金 95万円・売上債権売却損 5万円 /(貸方)未収入金 100万円と仕訳します。譲渡と入金が同日であれば、(借方)普通預金 95万円・売上債権売却損 5万円 /(貸方)売掛金 100万円と一本にまとめることもあります。手数料の科目名は会計方針により「債権売却損」等となる場合もあり、一度決めたら継続して使うことが大切です。
2社間と3社間で会計処理はどう違う?
3社間ファクタリングでは、取引先(売掛先)がファクタリング会社へ直接支払うため、利用企業は前述の「譲渡→入金」の仕訳で完結します。手数料は1〜9%程度が目安とされ、比較的低めです。
一方2社間ファクタリングでは、利用企業が取引先から売掛金を回収し、ファクタリング会社へ引き渡します。このとき自社を通過するお金は自社の売上ではないため、受取時に(借方)普通預金 /(貸方)預り金、支払時に(借方)預り金 /(貸方)普通預金と処理します。手数料は8〜20%程度が目安とされ、預り金処理が加わる点が3社間との違いです。実際の料率は債権内容や審査で決まるため、条件差はファクタリング会社の比較で確認するとよいでしょう。
消費税の扱いと決算での見え方
売掛債権の譲渡は、消費税法上「非課税取引」に位置づけられ、手数料を含めて消費税はかかりません。仕訳の際に仮払消費税を計上しないよう注意します。ただし課税売上割合の計算などに影響する場合もあるため、判断に迷う点は税理士へ確認すると安心です。
決算書では売掛金が減って現預金が増え、借入金のように負債は増えません。自己資本比率などの指標が悪化しにくいのは、融資と異なるファクタリングの特徴です。損益計算書では売上債権売却損が営業外費用として利益を圧迫するため、手数料の水準は資金繰りとあわせて検討したいところです。実際の利用ではえんナビやアクト・ウィル 優良ファクタリングなど複数社に相談し、条件を比べて選ぶことをおすすめします。
税務は税理士に確認を(給与ファクタリングとの違い)
ここで紹介した仕訳は一般的な例です。実際の勘定科目や消費税の扱いは、契約内容や会社の会計方針によって変わることがあります。決算や申告に関わる部分は、顧問税理士に確認したうえで処理することをおすすめします。
なお、個人の給与を対象とする「給与ファクタリング」は貸金業に該当し、無登録業者による提供は違法とされています(金融庁の見解・裁判例)。本記事が対象とするのは、事業者の売掛債権を売買する正規のファクタリングであり、給与ファクタリングとは異なります。混同しないよう注意しましょう。
選ぶときのポイント
2社間と3社間で処理が違う
3社間は譲渡と入金の仕訳で完結。2社間は回収金を預り金として処理する手順が加わります。
勘定科目は継続して使う
売上債権売却損か債権売却損か、一度決めた科目を継続適用することが大切です。
決算書の指標に配慮
負債が増えず自己資本比率は悪化しにくい一方、売却損は利益を圧迫します。
この記事で紹介したサービス
資金化までの流れ
売掛金を譲渡する
未収入金などに振り替えます(未収入金/売掛金)。この時点ではまだ損益は動きません。
手数料を確認する
差し引かれる手数料が、売上債権売却損として計上する金額になります。
入金を計上する
普通預金と売却損を計上(普通預金・売上債権売却損/未収入金)。2社間は回収金を預り金で処理します。
決算前に確認する
消費税は非課税、負債は増えません。細部は税理士に確認して申告に備えます。
よくある質問
ファクタリングの手数料は経費になりますか?
売却時の手数料は、一般に売上債権売却損などの科目で、法人は費用、個人事業主は必要経費として計上できます。損金算入の可否や科目は会計方針・契約により異なる場合があるため、税理士に確認すると安心です。
手数料に消費税はかかりますか?
売掛債権の譲渡は消費税法上の非課税取引にあたり、手数料にも消費税はかかりません。そのため仕入税額控除の対象にもなりません。仕訳時に仮払消費税を計上しないよう注意しましょう。
ファクタリングは借入金として決算書に載りますか?
ファクタリングは債権の売買のため、借入金などの負債には計上されません。会計上は売掛金が現預金に置き換わる形で、負債を増やさずに資金化できる点が融資との大きな違いです。
個人事業主でも仕訳の考え方は同じですか?
基本の考え方は同じで、売掛金を譲渡し、差額を売上債権売却損などで処理します。青色申告での帳簿付けや必要経費の扱いに不安があれば、税理士や税務署に確認するとよいでしょう。
勘定科目は売上債権売却損でなければいけませんか?
売上債権売却損が一般的ですが、債権売却損や支払手数料といった科目を用いる会社もあります。重要なのは一度決めた科目を継続して使うことです。判断に迷う場合は税理士に相談してください。
2社間だと取引先に会計処理から知られますか?
会計処理としては回収金を預り金で処理するだけで、それ自体が取引先に伝わるわけではありません。取引先への通知や債権譲渡登記の有無は契約形態によるため、事前に条件を確認しておくと安心です。
基本を押さえ、判断は専門家とともに
ファクタリングは債権の売買として仕訳でき、負債を増やさずに資金化できる手段です。基本の考え方を押さえたら、消費税や決算の細部は税理士に確認しつつ、実際の利用ではえんナビやアクト・ウィル 優良ファクタリングなど複数社の条件を比べて、無理のない資金繰りにつなげましょう。
えんナビ を無料相談 →参考・出典
本記事は各社の公表情報および上記の公的機関資料をもとに jpskill factoring 編集部が作成しています。制度・条件は変更される場合があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。